早稲田大学公開講演会「単一形態素名詞に基づいた苗字のアクセント」

2011年2月27日
標記の講演会は,3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震の影響により,中止となりました。
日時: 2011年 3月 12日 (土) 14:00~16:00
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス 22号館2階 201教室
講演者: Timothy J.Vance(国立国語研究所教授)
紹介者: 原田哲男(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
要旨: 東京方言のアクセント体系は高低アクセントで、声の高さが比較的高いピッチ から急に比較的低いピッチまで下がるのをアクセントの核と呼ぶ。内容語のア クセントは、語彙目録において指定されており、名詞の場合は、音節の数をn とすれば、アクセント型の可能性は n +1 である。有核だとすれば、その核は 音節のどれかに位置するが、もう1つの可能性は無核である。しかし、n 音節か らなる名詞の場合でも、可能な n +1 のアクセント型の割合が等しいわけでは ない。まず第一に、名詞の半分ぐらいは無核 (平板) である。そして第二に、 2モーラ以上の有核名詞の大多数は核の位置がデフォルト (後ろから3番目のモー ラを含む音節) になっている。(2モーラしかない単語は、語頭の音節がデフォ ルトの位置である。)東京方言のアクセント体系が、将来2型式に変遷すると予 言してもこじつけではないであろう。2型式の体系とは、核の有無だけが弁別的 で、核があれば、位置が決まっているという体系を指す。九州の南西部や琉球 諸島には、2型式の体系が今でも多い。苗字は名詞の一種であるが、東京方言で は、既に2型式のアクセント体系に従う。有核の苗字は、ほとんど例外なく核が デフォルトの位置にある。単一形態素名詞に基づいた苗字は、数が少ないが、 アクセントに特徴がありそうである。苗字のアクセントが普通名詞のアクセン トに一致するケースがある(例の記載省略)しかし、一致しないケースもかなり ある(例の記載省略)例から推定すると(1) 普通名詞が無核の場合は、苗字も無 核。(2) 普通名詞が有核の場合は、苗字も有核で、普通名詞の核の位置にかか わらず苗字はデフォルトの位置。残念なことに、この規則に当てはまらない苗 字もある(例の記載省略)平板型の普通名詞が起伏型の苗字に対応するケースが 特に多い。アンケート調査によって上記の(1) (2) に当てはまる傾向が統計的 にあるかどうかを調べたみた。本発表では、その調査の結果を報告する。
総合司会: 東京音声研究会代表 中川千恵子(早稲田大学非常勤講師)
共催: 東京音声研究会
参加費(資料代): 200円
使用言語: 日本語
参加対象者: 不問
事前申し込み: 不要
問い合せ先: 東京音声研究会事務局 大山健一(早稲田大学大学院)
Email: tokyo.onsei@gmail.com
URL: http://wiki.livedoor.jp/tokyo_onsei/