【重要】日本音声学会の財務改善策のお知らせ

2018年12月28日
日本音声学会 会長 今泉 敏

 2018年10月から11月にかけてグーグルアンケートを使用して学会の財務改善策に関する2種類の意見調査A(経費削減案)、B(冊子の必要性)を行いました。ご協力いただいた会員の皆様に感謝いたします。表1及び2に調査A及びBの結果を纏めて示します。総計71名から貴重な意見が寄せられました。なお、Bにだけお答えの方や、Aに予め示した肢を選ばず別の改善案を示して下さった方もおられますので、AとBの回答総数は異なります。

調査Aで経費削減案に関するご意見を募りましたところ、表1に示しますように、削減案A1)「『音声研究』を年2号とする」に賛成のご意見は52%で最も多く、次いで、削減案A4)「完全な電子化を目指す」が43%、削減案A3)「冊子が必要な会員には年1000円程度の実費負担を求める」が38%、削減案A2)「一般会員の会費を上げる」で35%でした。
 一方、調査Bで印刷冊子の必要性を問いましたところ、表2に示しますように、B2)「実費負担でなくても冊子体は不要である」が41%で最も多く、次いでB3)「実費負担なら冊子体は不要である」が35%、B1)「実費負担でも冊子体を送ってほしい」が24%でした。

 以上の調査結果を参考にして、理事会・評議員会で慎重に協議し、以下のように財務改善策1,2)を決定いたしました。

改善策1)受理論文は順次電子公開しつつ、年末に纏めて『音声研究』として発刊します。

査読を経て受理された論文はJ-STAGEにて順次に早期公開します。
論文にはReceived(論文投稿日)、 Accepted(論文受理日)、e-Published(電子公開日)を明記します。
その年の電子公開論文は纏めて『音声研究』として印刷刊行します。
『音声研究』は巻だけを表示し号はなくします。
『音声研究』巻/年あたり200頁を目安とします。
会告などはホームページ、メーリングリストを通して適宜発信いたします。

改善策2)『音声研究』送付の有無を選択可能とします。

年会費請求時に『音声研究』送付要・不要の意思確認を行い、不要を希望する会員には送付しないことにいたします。また、従来行ってきました論文著者への『音声研究』3部進呈を廃止し、代わりに筆頭著者に自著論文pdfを進呈いたします。なお、特集論文に関しては特集全体のpdfを進呈します。

 改善策1)では論文発表機会と迅速性を最大限に確保しつつ、『音声研究』印刷体を必要としている会員の希望にも対応でき、かつ経費削減も実現できます。編集委員会の負担を削減することも繋がります。改善策2)と合わせて、『音声研究』の印刷費・郵送費も削減できます。改善策1,2で約180万円の削減が可能になる見通しです。

 年会費値上げや『音声研究』送付の実費負担などの財務改善案は、2019年2月に予定されている郵便料値上げや、同年10月に予定されている消費増税、さらには日本音声学会会員数の増減など、今後の状況に応じて継続審議することにいたします。

 今回の調査では表1、2に示す以外にも様々な改善策が寄せられました。これらの貴重なご意見は今後の日本音声学会の発展に大いに寄与するものと期待できますので、理事会や委員会でさらに検討を続けております。日本音声学会の財務改善策に対するご理解とご協力・ご支援を宜しくお願い致します。

表1.経費削減案に関する調査結果(調査A)
削減案選択者数割合(%)
A1: 『音声研究』を年2号とする。約100万円削減できる見込みである。3051.7
A2:一般会員の会費を7000円から例えば9000円ないし1万円に上げると、約150~200万円収入増が見込まれる。なお、学生会員など一般会員以外の会費は据え置く。2034.5
A3:『音声研究』冊子が必要な会員には年1000円程度の実費負担を求める。2237.9
A4: 完全な電子化を目指す。この場合、音声データも含めた電子論文の発行が可能になる一方で、『音声研究』冊子を購入している購読会員などとの協議が必要になり、正確な経費削減予測は協議結果に依存する。2543.1
総数58100
表2.冊子の必要性に関する調査結果(調査B)
項目選択者数割合(%)
B1:実費負担でも『音声研究』冊子体を送ってほしい1724.0
B2:実費負担でなくても『音声研究』冊子体は不要である2940.8
B3:実費負担なら『音声研究』冊子体は不要である2535.2
総数71100