第15回音声学入門講座報告(音声学普及委員会)

2014年6月26日
  • 日時:  2014年6月1日(日) 13:00~17:00
  • テーマ: 音声の音響分析の「いろは」 ~初めて音声波形を見る方へ~
  • 講師:  峯松信明先生(東京大学)、齋藤大輔先生(東京大学)
  • 会場:  東京大学本郷キャンパス工学部2号館10階101B号室(電気系会議室5)
定員45名のところ、事前から申込みが定員を大幅に超過し、17名を超える参加希望者がキャンセル待ち状態、という盛況ぶりだった。当日は真夏のような天候の中、最終的に50人の受講者を迎えて講座がスタートした。
 講座は2部構成で、まず前半は峯松信明先生により、音の波形の分解と合成、スペクトルとは何か、声の高さとは何か、等々、音響音声学の基礎知識についての分かりやすい概説がなされた。休憩をはさんで後半では、齋藤大輔先生とTAの方々による音響分析ソフト Wavesurfer の基本操作の解説が行われた。音声を実際にパソコンで録音し、その波形とスペクトルを観察する手順や、基本周波数の測定の仕方、分析結果の保存と表示方法などについて、参加者持参のパソコンを操作しながら、実習形式で学習した。この実習では、講師、TA、普及委員会のメンバーなど、スタッフ全員が気軽に質問を受けたり、積極的に受講者とのコミュニケーションを図っていたため、熱気あふれる「質問教室」のような雰囲気が作られていた。そのため講座修了後にも、参加者からの質問が相次いだ。
 今回は言語聴覚士のほかに、大学院生や、大学の語学教員の受講が多かった。
語学学習に今後、音声分析が役立つことを意識して講座に臨んだ方も多かったのではないだろうか。そのせいか参加者アンケートでは、英語や日本語の音(セグメント)ごとにどんなスペクトラムが見られるのか実際に観察・確認してみたい、より進んだ音響分析についての知識を得たい、音響分析を用いた研究の具体例についてもっと知りたい、等々、多くの要望が寄せられ、音響分析に対する関心の高さがうかがえた。